自然科学 - 一般相対論の数学的準備など
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6.  共変微分とLie微分

Lie微分は考えている曲線に強く依存する. 例えば, 2次元直交座標における単位円に沿ったLie微分を考える. 点 (x1,x2) を原点の周りに反時計周りに角度 θ だけ回転した点を (y1,y2) とすると, 近似無しに

A˜1(x)=A1(y(x))cosθ+A2(y(x))sinθ A˜2(x)=A1(y(x))sinθ+A2(y(x))cosθ

のように回転を受け,

(𝔏XA)1=x21A1+x12A1+A2 (𝔏XA)2=x21A2+x12A2+A1

となる(接ベクトル場は Xμ=(x2,x1) ).

これが単位円でなく直線に沿ったものであると, ベクトル場は回転を受けないため単に A˜i(x)=Ai(y(x)) となり, 上式の最後の項は現れない. Lie微分とは, 特定の曲線を基準とした時のベクトル場の変化率を意味するのである. 実際, ベクトル場 X=d/dt に平行なベクトル場 fXX に沿ったLie微分は 𝔏X(fX)=(df/dt)X となる.

これに対して共変微分の場合, 曲線の曲がり具合つまり接ベクトル場の変化率には依存しない. 共変微分によって導入された双対ベクトル場である接続係数 ωij は曲線のとり方とは無関係であり, 従って接続係数及びその変化率が時空の歪み具合を担っているであろうことが予想できる.

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