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4. 共変微分
時空上の点 xμ 上の関数 f(x) に対して, その点を通る滑らかな曲線に沿って径数 λ だけ離れた点 yμ=xμ+λ Xμ(x) ( |λ|« 1 ) 上の関数 f(y) は
f(y)=f(x)+λ Xf(x)
と書かれる. X=Xμ∂μ はこの曲線の接ベクトルである. 関数の変化率は
limλ→ 0f(y)|y=x+λ X−f(x)λ=Xf(x)
で良いわけだが, ベクトルの場合はそうは行かない. 素朴に考えればベクトルの引き算をするとき, 始点を合わせなければならないからだ. そこで y 上のベクトルを x まで "微小平行移動" をする操作を以下に定義していく.
y 上の基底 ei(y) を曲線に沿って x まで微小平行移動したものを ei∥(x) と書こう. 我々は関数の変化率に対する拡張として微小平行移動を定義したいので, これに倣って
ei∥(x)=ei(x)+λ ∇Xei(x)
と置く. ∇X を共変微分と呼ぶ.
上の導入から, 微小平行移動された ei∥ は x におけるベクトル場なので, 共変微分は ei(x) で展開でき,
∇Xei=ej·〈ωji|X〉
この双対ベクトル場 ωij は接続係数と呼ばれる. この時点では, 接続係数に何の条件も付けていない.
一般のベクトル場 A=Ai(y)ei(y) を微小平行移動した A∥(x)=Ai(y)ei∥(x) も基底の時と分け隔てなく書かれなければならない. ωijμ=〈ωij|∂μ〉 として
A∥(x)=Ai(y)ei∥(x)
=(Ai+Xμ∂μ Ai)(ei+ejωjiμXμ)
=A(x)+Xμ(∂μ Ai+ωijμAj)ei
=A(x)+∇XA(x)
Leibnitz則 ∇X(Aiei)=(∇XAi)ei+Ai∇Xei を課して上と比較すれば, 関数 f に対して ∇Xf=Xf となることが分かる. また, ベクトルの線形性から ∇fX+Y=f∇X+∇Y も得られる.
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