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5. Lie微分
再び滑らかな曲線を考え, 曲線上の2点 xμ, yμ=xμ+λ Xμ(x), (|λ|« 1) におけるベクトル場 A(x) と A(y) の変化率を, 微小平行移動とは違った方法で定義しよう.
今度は y 上のベクトル場 A(y) に等しい x 上のベクトル場 A˜(x) を見つける. ここで "等しい" とは, 関数 f(y) に対して同一の値
A˜(x)f(y(x))=A(y)f(y)
を与えるという意味である.
座標基底を用いれば, 異なる2点における座標変換を考えればよいので
A˜(x)=A(y)|y=x+λ X
= ∂ xμ(y)∂ yνAν(y)y=x+λ X∂∂ xμ
こうしてLie微分が
𝔏XA=limλ→ 01λ∂ xμ(y)∂ yνAν(y)y=x+λ X−Aμ(x)∂μ
と定義される. 具体的に見てみると
𝔏XA=limλ→ 01λ(δνμ−λ∂ν Xμ)(Aν+λ Xρ∂ρ Aν)−Aμ∂μ
=(Xν∂ν Aμ−Aν∂ν Xμ)∂μ
これから 𝔏AX=−𝔏XA , 𝔏A+B=𝔏A+𝔏B , 𝔏X(fA)=(Xf)A+f𝔏XA→𝔏Xf=Xf そして 𝔏fXY=f𝔏XY−(Yf)X などの性質を持つことが分かるであろう.
ところで, 関数 f にベクトル場 X, Y を順に作用させると
Yμ∂μ(Xν∂ν f)=Yμ(∂μ Xν)∂ν f+Yμ Xν∂μ∂ν f
のようになり, ベクトル場2つの作用は第2項目のためベクトル場とはならない. これを反対称化したものはベクトル場となる. 即ち, 交換子
[X, Y]f=X(Yf)−Y(Xf)
=(Xν∂ν Yμ−Yν∂ν Xμ)∂μ f
はベクトル場となる. これはLie微分と一致する:
𝔏XY=[X,Y]
特に座標基底に対して 𝔏X∂μ=−(∂μ Xν)∂ν となるので, 双対基底に対しては 𝔏Xdxμ=(∂ν Xμ)dxν となる. よって双対ベクトル場に対するLie微分
𝔏Xα=(Xν∂ναμ+αν∂μ Xν)dxμ
を得る.
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