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5. Lorentzゲージ
では"Lorentzゲージ"における式(3)ではどうなるだろうか。実はLorentz条件式 ∇μAμL=0 は一般には大域的に成立し得ないのである。ある点 P に着目してその点を局所慣性座標で表すと、Lorentz条件式は(5)より ηνρ∂ν AρL=0 であるが、一方でその微分も(座標によらず)大域的にゼロでなければならない。これも(6)を用いて同様に点 P に対して局所慣性座標で表すと ηνρ∂μ(∂ν AρL)−ηνρ(∂μΓνρλ)AλL=0 つまり
ηνρ(∂μΓνρλ)AλL=0 …(7)
を満たさなければならない。点 P は任意なので、"Lorentz条件式" ∇μAμL=0 が大域的に成立するためには曲率がゼロでなければならないことを意味するのである。 … というのはちょっと言い過ぎで、少なくとも局所慣性座標に移ったとき、(7)式を満たさなければならない。
ちなみにWald ¥cite[71頁]{Wald:1984aa:bk}はLorentzゲージで曲率が現れることが言及しているが、それ以上のことは書いていない。内山 ¥cite[115頁]{uchiyama:1992aa:bk}も、(3)を導出しただけで何も言及していない。Landau, Lifshitz ¥cite{landau:1994aa:bk}は初めから普通微分で書いているので、共変Lorentzゲージどころか曲率と結合しているかのような式も出てこない。
¥bibliographystyle{unsrt}¥bibliography{../bib,../jp_bib}
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