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3. 曲がった時空におけるMaxwell方程式
本稿の主題である電磁場の方程式を見てみよう。局所慣性系においては
∂ν Fμν=Jμ
である。 Jμ は4元電流で、 Fμν は場の強さ(field strength)と呼ばれる電場と磁場を一筆で表したものである。場の強さはゲージポテンシャル Aμ によって Fμν=∂μ Aν−∂ν Aμ と表され、Maxwell方程式は
Jμ=∂ν∂μ Aν−∂ν∂ν Aμ
=∂μ(∂ν Aν)−∂ν∂ν Aμ
となり、Lorentzゲージ ∂μ ALμ=0 ではd'Alembert方程式となる。
さて、これを最小結合によって一般相対論的に直そう。
Fμν=∇μ Aν−∇ν Aμ
に対して
∇ν Fμν=Jμ …(1)
ゲージポテンシャルで書き直せば
Jμ=∇ν∇μ Aν−∇ν∇ν Aμ
=gμρ(∇ν∇ρ−∇ρ∇ν)Aν+∇μ(∇ν Aν) −∇ν∇ν Aμ
=gμρRνσνρAσ+∇μ(∇ν Aν) −∇ν∇ν Aμ
=Rνμ Aν+∇μ(∇ν Aν) −∇ν∇ν Aμ …(2)
となり、Ricciテンソルが顕になり、"Lorentzゲージ" ∇μ ALμ=0 においては
Rνμ ALν −∇ν∇ν ALμ = Jμ …(3)
となる。
さて、これらを局所慣性系に持っていったらどうであろうか。一見したところ場の強さに関する方程式(1)、ゲージポテンシャルに関する方程式(2)はそれぞれ
∂ν Fμν=?Jμ
Rνμ Aν+∂μ(∂ν Aν)−∂ν∂ν Aμ=?Jμ …(4)
になるように思われる。場の強さに対しては重力は消えているが、ゲージポテンシャルに対して消えていない。別の言い方をすれば、場の強さは等価原理を満たしているが、ゲージポテンシャルは満たしていないように思われる。このようなことがあっていいのであろうか。
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