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等価原理と電磁場
ともっち
平成16年5月18日
曲がった時空における電磁場の方程式を、場の強さではなくゲージポテンシャルで記述すると、重力場との非最小相互作用項が現れてしまい等価原理が破れるという議論がある。しかしそれは杞憂であることを解説する。
1. 等価原理
時空上の微小な2点間の距離 ds は
ds2=gμνdxμ dxν
のように書かれ、計量 gμν が一定であるような点あるいは領域は局所慣性系と呼ばれる。一般相対論の言う等価原理(equivalence principle)とは、一言で言うと
局所慣性系では重力の効果はなくなる
と表される。重力の効果とは何か。それは時空の歪みを表すテンソル量あるいはスカラー量が作用することである。
等価原理の要請を満たすためには、運動方程式の中にRiemannテンソル Rμνρσ , Ricciテンソル Rμν=Rρμρν そしてスカラー曲率 R=gμνRμν が現れてはいけない( gμν は計量の逆行列 gμρgρν=δνμ )。テンソルやスカラーは座標変換に対して線形に変換を受けるので、ある座標系で全ての成分がゼロならば、全ての座標系で全ての成分がゼロとなる。つまり局所慣性座標系においてRiemannテンソルなどが顔を現さないのであれば、全ての座標系で現れず、逆に、ある非慣性座標系でRiemannテンソルなどが方程式に現れているのならば、局所慣性系においてもその項は消えることはない。
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