最近、女性天皇についての議論がある。昭和21年に制定された皇室典範を改正しようとする話である。
現在皇室は、
初代天皇とされる神武天皇は在位期間が95年間もの長い間にわたっており、127歳まで生きたことになっている[2]。そのため天皇の歴史が紀元前660年から始まり2665年間続いているなどとそのまま鵜呑みにすることは出来ない。ハインリッヒ・シュリーマンがギリシャ神話を考古学に引き上げたように、日本の神話もひょっとしたら実在性があるのかもしれないが、それでも例えば6世紀最初に即位した第26代の継体天皇 (507-531) から数え始めても 1498 年であり、十分に歴史がある。
さて、少なくとも1500年は続いている天皇という伝統であるが、その系統は男系によって続いてきている。父の父の父の父の・・・と最期まで辿ると神武天皇に行き着くという仕組みだ。男性天皇の子は性別によらず天皇になれるが、女性天皇の子は必ずしも天皇になれるとは限らないのである。勿論、男系でなければならないという論理的根拠はない。神武天皇のY染色体を代々受け継いで・・・などという似非科学にも耳を傾けるべきでない。これは飽くまで万世一系という日本の有史以来続いている(と言われている)伝統なのである。
皇室典範改正の議論は以下の3つのどれを採用するか、だ。
マスメディアの論調だと、女性天皇反対と男系廃止反対が同じものであるかのように扱われているが、上で述べたように両者は異なるものである。私は国民の多くが伝統を重視した2番を選ぶと思うが、どうであろうか。
皇室は今、存続の危機と伝統の危機に直面している。
内部リンク: