伝統の破壊

H17/10/28

男系、女系

天皇というものの存在は、有史以来少なくとも 1,500 年続いている最大の伝統であり文化である。我々日本国民は、伝統や文化を重んじる民族であるならば、これを保持しなければならない。

皇位継承において「男系男子」が廃止され、男女かかわらず第一子が順位の最上位になったたらどのようになるか。例えば図を見ていただきたい。順当に第一子が皇位を継承していく例である。養子など新たに組み込み得る自由度は考えていない。愛子内親王が天皇に即位し、その後、民間人である田中二郎と結婚し、長男の○仁が生まれたとしよう。そしてその後、○仁が天皇に即位したとする。この瞬間、田中家の家系図に天皇が出現することになる。その後数世代経てば、図の例では山本家が天皇を受け継ぐことになる。つまり、民間人が天皇となっていくのである。女系天皇容認とはこういう事を意味するのである。そして天皇家は断絶する。

男系男子、男系女子

日本は所謂近代国家として道を歩み始める際、共和制でなく王制を敷いた。以来天皇は「君臨すれども統治せず」という立場で立憲君主制を貫いた。そして大東亜戦争 (太平洋戦争、アジア太平洋戦争など好きなように呼んで頂きたい) の敗戦以降、天皇は雲の上から降り、国民の身近な存在となった。そしてメディアを通じて天皇は大衆化されていった。今や写メールで撮られるような扱いである。

所謂議会制民主主義国家として成熟した現在。制度としての「天皇」も大衆化されようとしている。もう、よいのではないだろうか。皇統を廃止してまで守る「天皇」の地位とは何なのであろうか。伝統を棄てた「天皇」など必要ないではないか。いっその事憲法からも天皇の条項を外し、一切の公的行事を行わず、皇室を一宗教法人として民間の寄付金によって祭祀を行えばよいではないか。靖国神社のように。そうすれば天皇は皇室とその支持者のものとなり、皇統は維持されよう。

天皇という存在を、伝統的文化的観点から保護しようとするのであるならば、男系だけは保持しなければならない。つまり天皇家の保持である。愛子内親王は男系女子であるので、皇位を受け継いでも問題はない。問題はその次なのである。

男系を保持するためには、男子が生まれなければならないのだが、最も若い男子が秋篠宮文仁親王であり、既に 40 歳である。それ以来男子は生まれていない。放って置けば自然に断絶する。だから皇室典範を変える必要があるのだ。

「天皇」という地位を守るための保持なのか、「天皇」という伝統を守るための保持なのか。後者であるならば、女系天皇など到底受け入れられるものではない。


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