2. 空気抵抗がある場合
では, 空気抵抗がある場合はどうであろうか. 運動を解析的に解く以上性質の良い相互作用を採用したいのが心情である. 空気抵抗は低速度では近似的に速度に比例すると信じるならば, その比例定数を m/τ と置くことによって(ベクトル表記は太字にしている)
F=−mτdx(t)dt
と書ける. 比例定数をこのように書いたのは,
dim[τ]=[mass·length/timeforce]=[time]
のように, τ に時間の次元を持たせたいからである. さて, 興味があるのは実際にボールを投げるときの振る舞いである. 初速を v とするとき, 経験的に空気抵抗は重力と比べて明らかに小さい. 即ち
mvτ« mg
これは, 遠投時間 t0(∼ v/g) に対して
t0« τ
という関係が成り立つことを意味する. つまりこれを基にした近似操作は妥当であり, 以下これを踏まえて議論する.
空気抵抗があるときの運動方程式は
md2x(t)dt2=−mτdx(t)dt
md2y(t)dt2=−mg−mτdy(t)dt
の様に書ける. m は運動物体の質量である.