作用の変数分離解と運動方程式の積分形
tomocci
平成18年3月13日
Landau, Lifshitzの"場の古典論"¥cite{landau:1994aa:bk} § 101に現れる, 作用の変数分離解を用いて運動を記述する方法. "力学"¥cite{landau:1994ab:bk}の § 47, 48で詳しく解説されているのだが, 最近は教科書の解説書が出版されるような時代である. 私もそれに便乗して書くことにした.
1. 作用と保存量
自由度 s の系 (q1,…,qs,p1,…,ps) 及びそのHamiltonian H(q,p,t) における作用 S=∫ pdq−∫ Hdt から得られる関係
p=∂ S(q,t)∂ q , −H(q,p,t)=∂ S(q,t)∂ t
を用いて作られる, 作用 S を求める方程式
∂ S∂ t+Hq,∂ S∂ q,t=0 …(1)
をHamilton-Jacobi方程式と呼ぶ. この形式解には s+1 個の積分定数 α1,…,αs と A が現れる. (自明な系では s 個の運動量と1個のエネルギーが得られる.)これを作用 S が
S(q,t;α,A)=f(q,α,t)+A …(2)
のようになるように選ぶ. この節では形式解 S が ∂ S/∂ αi= const. を満たすことを証明する.
母関数を f(q,α,t) とするような正準変換 (qi,pi) → (qi′,αi) を考えよう.
S=∫ (pidqi−H(q,p,t)dt)
=∫ (αidqi′−H′(q′,α,t)dt) + ∫ d(f(q,α,t)−αiqi′)
=∫∂ f∂ qidqi−H′−∂ f∂ tdt+∂ f∂ αi−qi′dαi