質量を持ったばねの波動方程式
tomocci
平成17年9月10日
弦の波動方程式で気を良くしたので, 今度は質量を持ったばねの波動方程式を求めてみることにした.
1. 導出
質量 m , 自然長 l のばねを天井に固定し, 下端に質量 M の錘を付ける. この系の模型を立てよう. 質量のない, 自然長が li=l/N でばね定数が ki=Nk の微小なばねを, 質量 mi=m/(N−1)≅ m/N の微小な質点で繋いでいくことによって, 質量のあるばねを記述する事にする. 微小質点と錘に対して運動方程式を立て, N→∞ の極限をとる.
変位を φi(t)=φ(x,t) とおけば, 微小質点の運動方程式は
miφ¨i=−ki(φi−φi−1)−ki(φi−φi+1)−mig
=ki{(liφi′+li22φi′′)+(−liφi′+li22φi′′)}−mig+𝒪(li3)
=kili2φi′′−mig+𝒪(li4)
こうして
∂2φ(x,t)∂ t2−kl2m∂2φ(x,t)∂ x2= −g …(1)
を得る. 一方, 錘についての運動方程式は
Mφ¨N=−ki(φN−φN−1)−Mg
=−kiliφN′−Mg+𝒪(li2)
となり, 下端における境界条件
∂2φ(l,t)∂ t2+klM∂ φ(l,t)∂ x= −g …(2)
を得る. 上端に関しては
φ(0,t)=0 …(3)
である.