[数式が上手く表示されない場合]

速度の変換

H20/4/27

今, 物体 P が点 A から点 B へ運動をしたとしよう. K 系において, 点 A の座標を

(x,t)

とする. 物体 P が時間 Δ t の間に Δ x だけ動いたとすれば, 点 B の座標は

(x+Δ x,t+Δ t)

と書ける. つまり K 系における物体 P の速度 v

v=Δ xΔ t

である.

同様に, K0 系において考えよう. 点 A の座標は

(x0,t0)

とする. 物体 P が時間 Δ t0 の間に Δ x0 だけ動いたとすれば, 点 B の座標は

(x0+Δ x0,t0+Δ t0)

と書ける. つまり K0 系における物体 P の速度 v0

v0=Δ x0Δ t0

である. 座標系 K , K0 それぞれにおけるこれらの量は, 今の段階では互いに無関係だが, A , B 各点においてそれぞれ Lorentz変換によって結びつけれられる.

A におけるLorentz変換は

  x=x0+Vt01V2c2 t=t0+Vc2x01V2c2     …(1)

B

  x+Δ x=(x0+Δ x0)+V(t0+Δ t0)1V2c2 t+Δ t=(t0+Δ t0)+Vc2(x0+Δ x0)1V2c2     …(2)

なので, (2)から(1)を引けば, 位置の変化量及び時間のLorentz変換

    Δ x=Δ x0+VΔ t01V2c2     …(3) Δ t=Δ t0+Vc2Δ x01V2c2     …(4)

を得る. (3)を(4)で割って

Δ xΔ t=Δ x0+VΔ t0Δ t0+Vc2Δ x0=Δ x0Δ t0+V1+Vc2Δ x0Δ t0

ここで K 系, K0 系それぞれにおける物体 P の速度 v , v0 を用いれば, 速度の座標変換

v=v0+V1+Vv0c2

を得る.

ここで, 後で使う式を挙げておこう.

1v2c2=(1v02/c2)(1V2/c2)(1+Vv0/c2)2

特に V=v0 のとき

1v2c2=(1v02/c2)2(1+v02/c2)2

座標系間の運動と垂直な方向においては(3)にある位置の変化量とは異なり

Δ y=Δ y0

である. 従ってこれを(4)で割れば

vy=vy01V2c21+Vvx0c2

となる. 便宜上 x 方向, y 方向と添字を付けた.

因みに加速度の座標変換は

ax=1V2c23/21+Vvx0c23ax0 ay=1V2c21+Vvx0c23ay0Vax0c2vy0

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