[数式が上手く表示されない場合]

時間の遅れ

H19/7/5
K0系における光線の軌跡

ロケット( K0 系)には, その進行方向と垂直な方向に往復する光時計が設置されている. 「光時計」とわざわざ名前が付いているが, 単に光線を往復させるだけのことである.

K0 系, K 系ともに光の往復時間を求め, その違いを見てみよう. 尚, ロケットの床から天井までの長さを K 系, K0 系共に変わらず L であるとする. これは空間の線形独立性の現れであるのだが, この仮定で不整合な部分が生じれば修正すれば良いだけの事だ.

まずロケットに固定されている K0 系での光線の振る舞いを考えよう. 光線の往復時間 t0

  t0=2Lc     …(1)

である.

K系における光線の軌跡

一方, 座標系 K においては, 光線はロケット進行方向に傾いて進行していく. 三平方の定理を用いて

c×t22=L2+V×t22

という式が成り立つ. これを t について解けば

  t=2Lc1V2c2     …(2)

を得る. (1), (2) を比較すれば, K 系, K0 系それぞれにおける光線の往復時間 t , t0 の関係は

t=t01V2c2

となる事が分かる.

大小関係を見れば

t t0

つまり K0 系では 1 秒間で起こる現象を K 系で観測すると, それ以上の時間を掛けていることになる.

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