tomocci
平成17年7月7日
諸法則から重力質量と慣性質量を導出する.
地球表面上における物体は, 鉛直下向きに定常的な力を受ける. これを重力と呼ぶ. 物体に働く, 地球表面上における重力 (地) と月面上における重力 (月) は異なる値となる. しかし, 例えば異なる2物体 A, B において
即ち重力そのものは場所によって変わるのだが, 重力の比 (天秤ばかりによる測定で求められる.)はどの場所でも変わらないのである (宇宙空間では重力は働かないので比が作れないが. ). この事から, 我々は各物体ごとに固有の「何か」が存在するに違いないという結論に達するであろう. 我々はそれを重力質量(gravitational mass)と呼ぶことにする (あるいは電荷(electric charge)にちなんで重力荷(gravitational charge)と呼ぶべきかもしれない.).
ある物体 A に働く重力を と置こう. その物体 個を接着して1つの物体とみなし, これを A と呼ぼう. A に働く重力を とすれば, 力の合成が和で得られる事から
が導かれる. ここで重力質量の合成が和で得られると仮定しよう. 即ち物体 A の重力質量を と置けば, A の重力質量 は
(1) と (2) より, を物質の種類や場所に無関係な比例定数として
が導かれる. この時点では力 や重力質量 の単位が定義されていないため, 比例定数 も定まらない事に注意しよう.