本稿の主題である電磁場の方程式を見てみよう。局所慣性系においては
である。 は4元電流で、 は場の強さ(field strength)と呼ばれる電場と磁場を一筆で表したものである。場の強さはゲージポテンシャル によって と表され、Maxwell方程式は
となり、Lorentzゲージ ではd'Alembert方程式となる。
さて、これを最小結合によって一般相対論的に直そう。
に対して
ゲージポテンシャルで書き直せば
となり、Ricciテンソルが顕になり、"Lorentzゲージ" においては
となる。
さて、これらを局所慣性系に持っていったらどうであろうか。一見したところ場の強さに関する方程式(1)、ゲージポテンシャルに関する方程式(2)はそれぞれ
になるように思われる。場の強さに対しては重力は消えているが、ゲージポテンシャルに対して消えていない。別の言い方をすれば、場の強さは等価原理を満たしているが、ゲージポテンシャルは満たしていないように思われる。このようなことがあっていいのであろうか。