尖閣事件のメモ。
平成22年9月、尖閣諸島付近にて。海上保安庁の巡視船に中国の漁船が体当たりした。海保は漁船の船長を逮捕。国内法で粛々と処理されるはずだった。
ところが。
どういうわけだか、魚釣島(これ、読みは「うおつりじま」だよな。ATOK2010で変換できなかった!)の領有権を主張する中国が抗議を始めた。我が国の海底に眠る資源が欲しい中国政府が領有権を云々する浅ましい態度は理解できるのだが、それに騙される中国国民は何を考えているのだろうか…。彼らは馬鹿なのか?
在米中国人がデモをするなど、政府だけでなく民間でも盛り上がった。狂っているとしか言いようがない。
レアアースの輸出を禁止する、経済制裁をすると脅す中国政府。
そして、この一連の流れと無関係かもしれないが、在中日本人4人を、軍事関連の施設を無断撮影したとして拘束。
そして何故か、無関係かもしれない日本人拘束と絶妙なタイミングで、船長を起訴せず釈放。
国内法に則り粛々と処理すると、民主党にしては頼もしい発言をした前原外務大臣。
前原誠司外相は19日午前のNHKの討論番組で、沖縄県尖閣諸島沖で中国漁船の船長が逮捕された事件について「今回は私は偶発的な事故だと思っている。 冷静に中国側も対応してもらいたい」と述べていた。さらに「日本からすれば、日本の法律にのっとって粛々と対応するということに尽きる。我々の立場はしっ かり保ちながら、話をしていきたい」と語った。
嘘だった。
「我が国は、強く抗議されるとすぐ折れますよーっ!」
そうアピールして終了。
もちろんそれで終わりではなく、謝罪と賠償を求める中国政府。
我が国で三権分立と言えば大津事件を思い出すが、この件は逆だ。検察が「日中関係を考慮して」処分保留するなど、あからさまではないか。法治国家として恥ずかしくないのか。
同地検の鈴木亨次席検事は24日の記者会見で、巡視船側の被害が軽微だったことなどに加え「わが国国民への影響と今後の日中関係を考慮すると、これ以上、身柄の拘束を継続して捜査を続けることは相当でないと判断した」と説明した。一方、仙谷由人官房長官は「検察から釈放するとの報告を受け、了とした」と述べ、政治介入はなかったとの立場を強調した。
最高検は「官邸などの影響を受けた判断ではなく、検察独自の判断だ」としている。ただ、同地検は外務省の中国担当者にも意見を求め、「日中関係への影響がある」との返答を得たという。
地検は24日に記者会見を開き、日中関係への配慮などを理由としたが、検察当局が刑事処分の理由に外交的配慮を挙げるのは極めて異例で、事実上の「政治決着」と受け止められている。
もちろん、起訴不起訴の処分が決まらずに拘留期限が過ぎれば処分保留で釈放せざるを得ないのだが、今回の処分保留は堂々と政治的判断ですよと、発言してしまっている。
しかも日本の外務大臣が「国内法で粛々と処理」と発言し、さらには日本のセコム係であるアメリカが「尖閣は安保対象」と発言しているのに「日中関係を考慮して」は無いだろう。職務を放棄するなよ。 (ちなみに船長の釈放後、アメリカは日本が折れて一安心~などと言っているが)
積極的に国際問題に発展させろと主張しているわけではない。我が国は法治国家であり、巡視船に体当たりするという公務執行妨害に対して、外国人であろうと何であろうと、法に基づいて処理すべきだ。
報道では菅政権が槍玉に挙げられている。実際に誰が動いてこの顛末になったのかは知らないが、何故このようなていたらくになったのか、追求して欲しいものである。