特別永住者

H16/5/24

2chのハングル板に「朝鮮半島が統一されたら在日韓国朝鮮人の特別永住資格は無くなる」というデマが書かれていたことがある。そのデマを先日の小泉首相訪朝でつい思い出してしまった。しかも最初の部分を「北朝鮮と国交正常化すれば~」と誤って。

在日韓国朝鮮台湾人が日本に永住できる根拠は、現在「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法」に基づく。「日本国との平和条約」は「サンフランシスコ講和条約」のことである。特に韓国との間には「日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び待遇に関する日本国と大韓民国との間の協定 」が結ばれている。

さて、未だに在日韓国朝鮮人(一世)は日本政府によって強制的に日本へ連れて来られたと思っている日本人もいるようだが、日本が強制連行をしたという記録は無い。仮に徴兵・徴用のことを強制連行と言い換えたとしても、徴兵・徴用によって来日した在日韓国朝鮮人一世は 13.3% に過ぎないことが在日本大韓民国青年会中央本部刊行「アボジ聞かせて あの日のことを -我々の歴史を取り戻す運動報告書-」によって明らかになっているらしい。これは「在日コリアンの来歴」からのデータの孫引きである。またこれは徴兵・徴用の期間を考慮に入れると 1.5% にまで落ちるらしい(同ページより)。

上のページを読んでいくと、在日韓国朝鮮人の中に戦後密航してきた者が少なくない割合でいるという記述がある(併合時は密航とは言わない。単なる渡航である)。これが事実なら由々しき問題であるが、この密入国に絡んで「在日韓国朝鮮人は自国に帰れ」という排外主義的な論がある。勿論密入国者が日本に永住できる法的根拠は無いので正論だと思うのだが、どうやら2chなどでは全ての在日韓国朝鮮人が密入国者(とその子孫)ということになっているようだ。在日韓国朝鮮人の祖先は不法に入国してきたのだから帰ってくれ、というとんでもない理屈である。

しかし幾ら正論とは言え、密航してきた一部の在日韓国朝鮮人(とその子孫)に対するこの「帰れ」論に僕は反対である。自国に送還するのであれば一世の時点でするべきであったのだ。日本政府はこれまで何の措置もとらず今になって「あなた方が日本に永住できる法的根拠はありません。速やかに帰国しなさい。」などと言えるだろうか。日本はそのような非情な国ではないはずだ。日本国民もこれを理由に排外主義的になってはいけない。

ただし、「帰れ」論は密入国だけが拠り所でなく、「嫌いな国に住む根拠が分からない。嫌いなら出て行け」という主張もある。僕はこちらには完全に同意する。民族や国籍に関わらず、日本が嫌いなら日本から出て行けばいいのである。

そして親日的な在日韓国朝鮮人も大勢いるはずだ。好きだから日本に住んでいるのだと僕は信じている。実際在日本大韓民国民団中央本部HPの資料によれば、帰化や日本人との結婚が多いことが分かるであろう。彼らは排斥の対象ではないのだ。いずれは日本人と同化していくのであろう。イルボン、マンセー!

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