今夜はブギーボード

平成22年10月9日

ダンスフロアーがどうこうという話ではない。

Boogie Board。買ってしまった。日本でも今月半ば頃にキングジムから出るらしい。

という訳で、これがそれ。ついでに iPad も。(ちなみにこれが iPad 初お目見えだったりする。だって色んなものが映り込んでしまうんですもの…)

BoogieBoard and iPad

見ての通り、B5 サイズより一回りほど小さい。だいたい A5 くらいの大きさ。

Boogie Board は薄い!

そして見よ! 刮目せよ! この薄さを! 流石、電子ペーパーだ。そして何よりも軽い。

ちなみに電子ペーパーとは、簡単に言うとオセロのように裏表が白黒に塗られた粒子が各点に置いてあって、たとえば普段は白い面を向いていて、なにがしかの仕組みで部分的に黒い面を向かせれば、それはインクの役割をすることになる。正に電子ペーパーである。

Boogie Board に書いてみた1

まあ、iPad と比較するものではないのだが、iPad の手書きメモアプリとは比較にならないくらい書き味が違う。感圧式で紙に書いているのと同じような感覚だ。専用ペンの滑りも、紙と鉛筆のように良い具合の摩擦がある。ちなみに写真右下にちょこっと写っているのがその専用ペンだが、感圧式なので爪でも書ける。字を書くときに手のひらの横の部分(よく鉛筆の跡で真っ黒になる部分)を画面につけても跡がつくのが少々残念なとこだ。

Boogie Board に書いてみた2

しかし、機能はそれだけだ。書き損じてそこだけ消したいと思っても消せない。消すときは全画面消去のみだ。また、書いたものを出力することもできない。

機能面で見れば、ただ書いて消せるだけの板だ。正直な話、実用には耐えられないだろう。

しかし、しかしだ。

これは機能ではなく、技術なのだ。私は技術に 3,980 円を出したのだ。

Boogie Board は Amazon の Kindle と同様電子ペーパーを利用している。文字の表示に電力は使用せず、画面リセットの時だけ使う。そこが iPad などの液晶機器と違うところだ。

Boogie Board に書いてみた3

実際に触った人は「思ったより書きやすい」という意見が出る。少なくとも PC のペンタブレットを触ったことがある人は絶対に言うであろう。

と同時に、「全消ししかないんだ」「USBでPCに取り込めないの?」など、不満点や希望が出てくる。これは見た人全員が言う。そのような機能は時間が経てば新製品に反映されるであろう。

2007 年に Kindle が発売されたが、実は我が国でも電子ペーパーを使った情報端末 FLEPia (FLEPia, YouTube) というものが富士通から出ているらしい。正直、つい最近まで存在を知らなかった。ブリヂストンも独自の電子ペーパー技術 QR-LPD (QR-LPD, YouTube) を開発し、YouTube に端末のデモが載っている。

電子ペーパーは液晶というよりも、文字通り紙媒体を置き換えるものだ。出版業界はあまり好ましく思わないかもしれないが、こういった技術の発展が電子書籍の市場を拡大させるのは間違いない。

「やっぱり紙で読まないと。」という意見には同意するが、それは消費者が選択するのであって、提供する側が固持するところではない。国内企業が IT を利用できず、結局外国企業に市場を奪われてしまうという残念な構図は、何とかならないものか。

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