金曜深夜零時十五分から始まるテレ朝系のドラマは結構観ている。そして今日から始まった「時効刑事」。細かい演出が面白い。
まあ、普通はああ面白かった~で終わるわけだが、違った。ドラマの終わりに流れる歌だ。「おもいきりな~いて~」とか「あめは~つ~め~た~い~けど~」などのフレーズ。正直どうでもいい歌なのだろうが、とても胸が苦しくなる。知らない人間が歌っている歌なのに、パブロフの犬のように、聞いているだけで切ない思いで一杯になる。
フレーズを頭で繰り返すうちに思い出した。森高千里の「雨」という歌だ。曲名はネットで検索するまで分からなかったが、森高千里だということは直ぐに思い出せた。そう。森高千里だ。中学生のある夏休みに、ラジオから流れてきたあの森高千里だ。AM放送の「全日本! 歌謡選抜!」とかいうタイトルかどうだか忘れたが、そこに現れた彼女の事は今でも覚えている。
その新人アイドルはミニスカートを履いていた。ラジオの司会者から「その格好は嫌じゃないですか?」とか「売れ出してから、実は嫌だったとかは言わないで下さいね!」と執拗に突っ込まれていた。彼女は平然としていた。(しかしその後、十年くらい後、実はミニスカは嫌だったと本人が言っていたと風の噂で聞いた。ズボンを履いてMステに出て、暫くしての事である。)
私にとって、森高千里の「雨」は心に響く。Wikipediaによると15年前の歌のようだ。15年前。今は昔の事である。当時の細かい事など何も覚えてはいない。何も覚えていないはずなのだが、歌はそれを思い出させる。「その歌」は覚えているのだ。「歌」は感情だけを思い出させる。
「歌」には不思議な力があるものだ。