平成16年10月16日

グリーン・オムライス

ブルックヘブン国立研究所などという機関から一時帰国した知人から土産を貰った。天下のハインツ (因みにハインツ日本のサイトと比較するとアメリカのこってりさが際立って面白い) から出ている緑色のケチャップEZ Squirt (イージースクァートって読むのかな?)を。アメリカの糞餓鬼共は食べ物を粗末に扱っても平気なのか?

研究室の中で誰も欲しがらなかったこの商品、自虐が日常化してしまった僕は喜んで人柱を望んでしまった。その晩自宅に持ち帰り、早速試すことに。帰りしなにスーパーでフクラギの刺身と棒チキンカツを買い、日本酒とビールで晩酌する事に決定。揚げ物を選んだのは彼、そう、EZ Squirt の威力を試すためだったのだ。そして晩酌開始のその拡大図。彼の右側に見えるのは棒チキンカツの上にその威力を惜しげもなく発揮している EZ Squirt の図である。味は予想に反して普通。普通のケチャップの味しかしない。見た目はとても食べ物には見えないが。チキンカツが焦げているのは、自宅で揚げる用のを買い、北京鍋に最小の油を引いて火を通したため。

 

さて、彼を貰ってからずっと考えていた計画を、今日、遂に実行した。表題の通り「グリーン・オムライス」である。EZ Squirt を使ったオムライス。考えただけでげんなりするのだが、だからこそ、だからこそ、敢えてそれに挑むわけである。敗北を承知で戦いに臨むのだ。

玉葱を微塵切りにし、鶏胸肉(普段は鶏もも肉)も細かく刻む。中国製や韓国製ではなく、国産それも北陸製のフライパンで炒める。一旦皿に移し、御飯を炒める。手際が悪くて少し焦げ目が付いたが、具材を戻して混ぜ合わせる。塩胡椒し、炒めるという作業を堪能する。スプーンですくって味見をする。旨い。旨すぎる。このままでも十分いける。がしかし、ここで止めては漢が廃る。傍で僕の事をじっと見つめている EZ Squirt を投入。台無し。フライパンの中の食べ物が見る見る緑色に染まっていき、今まで見たことも無い何かに変わっていった。

いつまで炒め続けていても食べ物には戻らないので、諦めて皿に移し、溶き卵をフライパンに回し入れる。そして緑色した元食べ物を乗せ、くるっと巻く……巻く……あれ? どうやって巻くんだろう?

巻けないまま、卵が上になるように皿に移して完成人生初めて作るオムライスが完成したのである。初めてのオムライスが緑。初オムライス(緑)をスプーンで割り、いざ試食。中からホウレン草色のチキンライスが見えてくる。旨い。気持ち悪いけど旨い。気持ち悪い。旨い。

目的は達成してしまった今、大量に残った EZ Squirt を果たしてどのように処分すればいいのだろうか。やはりオムレツ(緑)、チキンライス(緑)、スパゲティナポリタン(緑)、唐揚げ with ディップ(緑)等々で消費していくしかないのだろうか…。

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