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1999年11月1日

「だうとッ!」

10月23日土曜日。26歳の誕生日の数日後の出来事だった。


毎年恒例(?)の焚き火パーティの日。焚き火パーティ? 何それ? 焚き火+パーティ。Ta-Ki-Bi party. 浜辺で流木を集めてきて燃やして喜ぶナリ。そして魚/サツマイモなどを投げ込むベシ。

しかし僕は数日前から自発的時差呆け状態。当日も自覚症状はなかったがへろへろだった(に違いない)。その上その日は風が強くてとても寒かったのだ。焚き火パーティがつつがなく終わり、帰りの車でドライヴァーである僕はエアコンをフルパワーで動かしたのだ。作動させたのだ。

その時点でもう勝負は見えていた。出発時から睡魔の嵐。既に車線をはみ出さずに走ることがかなり困難になっていた。ねみー! ねみーよ! のーん! (意味不明)

早く戻って寝よう、早く戻って寝よう、と焦り今世紀最後の天才アーティスト・椎名林檎のアルバムをかけながら睡魔とぎりぎりの攻防を繰り広げていた。終点である学校まで後 2km 弱の地点だった。スピーカーからは「丸の内サディスティック」が流れている。交差点を右折して数秒後、信じられないことが起こったのである。


寝ちゃった。


ばーんっ という轟音と強い振動で睡魔に暗黒の世界へと引きずり込まれていた僕は意識を取り戻した。 どががががっ ずががーんっ。 暗黒世界に住む魔物たちはこの世界の天地をひっくり返したのだ。「丸の内サディスティック」はまだ流れていた...

恐らくこういう筋書きであろう。まず運転者である僕の意識を奪い、そのご暗黒魔法の呪文を唱えたのだ。「ダウト!」 もう車は裏返るしかなかった...

この世界での暗黒魔法はクルマ以外にも影響をもたらした。携帯電話の店のたて看板、パソコンショップの電光看板そして電力会社の配電盤がもの凄いパワーでなぎ倒されたのだ。

愛車のスターレットは廃車処分になったが、聖なるオーラをまとっていた僕は助手席の友人と共にガラスで擦りむいただけの軽傷で済んだ。不幸中の幸いである。

僕は今まであらゆる陰謀による妨害を受けてきたが、今回は危なかった。でも負けない。僕負けないよ。戦うんだ。さあ立ち向かうんだ。One for all, all for one! 集え! 光の戦士っ。



事故の模様のイメージムーヴィーを作ってみました。ひょっとしたら観られないかもしれないけどその辺はご了承ください(^^;)

見てみる(mpeg file 404kb)




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